- 相続放棄を考えているなら、処分や売却の前に確かめる。相続する財産を処分すると、相続を認めたとみなされることがあります(民法第921条)。放棄の申述は、相続の開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所へ(期間は家庭裁判所で延ばせます)。
- 遺言書を見つけたら開けない。封のある遺言書は、家庭裁判所で相続人などの立会いのもとで開けます。法務局に預けてあった遺言書は、家庭裁判所の検認が要りません。
- 通帳・証書・契約の書類は、処分の前に探しておく。ごみに混ざると戻りません。
相続放棄を考えているとき
亡くなった人に借金などがあり、相続を放棄するかもしれないときは、遺品を処分したり売ったりする前に確かめてください。 相続する財産の全部または一部を処分すると、相続を単純に認めたとみなされることがあります(民法第921条)。
- 期限: 自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内。調べても決められないときは、家庭裁判所に期間を延ばす申し立てができます。
- 申し出る先: 亡くなった人の最後の住所地を受け持つ家庭裁判所。収入印紙は申し出る人1人につき800円分(ほかに郵便切手)。
- 形見分け: どこまでなら処分に当たらないかについて、裁判所や国の分かりやすい説明は見当たりません。値打ちのある物を分ける前に、家庭裁判所や専門家に確かめてください。
遺言書を見つけたら
- 開けずに、そのまま保管する封のある遺言書は、家庭裁判所で相続人などの立会いのもとで開ける決まりです(民法第1004条)。家庭裁判所の外で開けると、5万円以下の過料になることがあります(民法第1005条)。
- 家庭裁判所に検認を申し立てる申し立て先は、遺言をした人の最後の住所地を受け持つ家庭裁判所。遺言書1通につき収入印紙800円分。検認は、遺言の中身を確かめて書き換えを防ぐための手続きで、遺言が有効か無効かを決めるものではありません。
- 法務局に預けてあるかを調べる法務局の遺言書保管制度で預けてあった遺言書は、検認が要りません。預けてあるかどうかは「遺言書保管事実証明書」で調べられ、全国どこの遺言書保管所にも請求でき、郵送でもできます(1通800円)。
先に探しておく物
- 通帳・キャッシュカード・印鑑
- 不動産の権利証(登記識別情報)や、固定資産税の通知
- 保険の証券、年金の書類
- 株や投資の書類、借用書や返済の書類
- 契約書・領収書(公共料金・携帯電話・賃貸の契約など)
見つかりやすいのに見落とされやすい場所は、引き出しの奥、本や雑誌の間、衣類のポケット、仏壇の引き出しです。
仕分けの進め方
- 4つに分ける残す物・形見分けする物・売る物・ごみ。迷う物は「保留」の箱に入れて、あとで家族で決めます。
- 写真・手紙・アルバムは最後にいちばん時間がかかる物です。先に家具や衣類を片付けると、部屋が広くなって作業が進みます。
- ごみは区・市の分け方で燃やすごみ・燃やさないごみ・資源・粗大ごみ。家電4品目とパソコンは別の窓口です(品目別の処分方法)。
- ごみの量で出し方を決める大きな物は粗大ごみの申し込み。袋のごみが一度に多いときは、大田区・世田谷区は清掃事務所に申し込む有料の収集、川崎市は「一時多量ごみ」(市の許可業者に有料で引き渡す仕組み)。
手伝えること
- 仕分け: 残す物・形見分けする物・売る物・ごみに分け、ごみは区・市の分け方に合わせて袋に詰めます。
- 運び出し・家具の解体: 大きな家具を解体し、収集日の朝に決められた場所まで運び出します。
- 区・市への申し込みの代行: 粗大ごみの申し込みと、収集日まで敷地の中にまとめておく段取り。ごみが一度に多く出るときの相談も手伝います。
- 紙・布・鉄の引き取り: 古紙・段ボール・古着・金属くずは、再生利用に回す物として引き取ります。
ごみは区・市の収集に出すので、区・市に払う手数料や臨時の収集の料金は、作業の料金とは別にかかります。 粗大ごみの運び出しと申し込みの手伝いは粗大ごみの運び出し・申し込みの代行に詳しく書いています。
業者に頼むときに気をつけること
国民生活センターには、遺品整理を頼んだときの相談が寄せられています。作業のあとで見積もりより高い金額を求められた、残してほしいと頼んだアルバムや書類まで処分されて戻らなかった、などです。
- 見積もりは書面でもらい、作業の中身と費用、取りやめたときの費用を確かめる
- 残す物と処分する物をはっきり分けて伝え、できるだけ作業に立ち会う
- ごみを運ぶ業者は市町村の許可か委託が要り、買い取りをする業者は古物商の許可が要る
- 困ったときは消費者ホットライン188
生前整理
生前整理は、本人が元気なうちに、自分の持ち物を減らして分けておくことです。残す物・譲る物を本人が決められるのがいちばんの違いで、 あとで家族が迷う物が減ります。書類の置き場所を家族に伝えておくと、遺品整理のときの「先に探しておく物」がそのまま片付きます。
よくある質問
部屋の中の物を、家族が勝手に片付けてもいいですか?
亡くなった人の物は相続人に引き継がれます。相続人が複数いるときは、処分や形見分けの前に相続人どうしで話し合ってください。相続放棄を考えている人がいるときは、上の「相続放棄を考えているとき」を先に確かめてください。
賃貸の部屋は、いつまでに空ければいいですか?
部屋を借りる権利と部屋の中の物は、相続人に引き継がれます。明け渡しの時期は、契約と貸主との話し合いで決まります。先に管理会社に連絡し、明け渡しの日を決めてから、区・市の収集日に合わせて片付けの日程を組むと無駄がありません。
作業の日に立ち会えないときは?
残す物と処分する物の分け方を、写真に印を付けるなどして先に決めておくと、間違いが起きにくくなります。国民生活センターも、できるだけ作業に立ち会うよう勧めています。
あわせて読む
出典
- 民法(e-Gov法令検索)
- 相続の放棄の申述(裁判所)
- 遺言書の検認(裁判所)
- 自筆証書遺言書保管制度(法務省)
- こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル(2018年7月19日)(国民生活センター)
- 見守り新鮮情報 第525号 遺品整理を頼むときは、事業者選びは慎重に(2025年10月30日)(国民生活センター)
- 粗大ごみの出し方(大田区)
- 引っ越しのごみ(大田区)
- 臨時ごみ(大田区)
- 粗大ごみの出し方(世田谷区)
- 粗大ごみの持ち込み(世田谷区)
- 一度に大量・臨時にごみを出す場合(世田谷区)
- 粗大ごみの出し方(よくある質問)(川崎市)
- 一時多量ごみ(川崎市)
- 無許可の不用品回収業者に注意(川崎市)
確認日: 2026-09-25